印章の日をご存知ですか
10月1日は「印章の日」
日本では古くから証文に印章を押印する習慣がありましたが,明治維新から間もない明治4年(1871年)に「太政官布告」という法律が施行され,庄屋などを通じて「印鑑帳」なるものを作成し,取引にはその印鑑を照合し確認するというそれまでの慣習が明文化されました。
それからもこの法令は改正されて,明治6年(1873年)10月より,それまで一般的に使用されていた花押などの使用を禁止する法律が施行され,重要書類には必ず実印を押印しないければならなくなりましたので,近代日本の契約の基礎が築かれた日とも言えるでしょう。
これを記念して全日本印章業協会(当時)が10月1日を「印章の日」とし,正式に制定されました。
印章を供養する祭
日本ではほとんどの都道府県に「印章組合」という組織があり,印章の日には使わなくなった印章や,持ち主が亡くなるなどで不要になった印章を供養する行事として神社などで「印章供養祭」や「印章祈願祭」が行われています。
その中でも規模が大きいものが京都の下鴨神社で開催されている「印章祈願祭」。本殿の横に「印璽社(天皇の御璽や貴族など身分の高い者の印章を奉じる社)」があることを同神社の宮司が発見したことにより昭和54年(1979年)から開催されています。各印章店から集められた印章は本殿で神事を済ました後、印章祈願祭で使用されている印璽社や印納社に納めて供養された後,ていねいに埋葬されるそうです。
印鑑を供養することを「廃印」と呼びますが,地域により印章を焼く焼納供養を行う所もあるそうです。
印章は人生の重要な場面でのパートナーとも呼べるものですから,人と同様に弔おうとする気持ちが生じることは,印章の歴史が長い日本独自のものと言えるかも知れませんね。
通算148回目の筆跡鑑定と印章鑑定の研究用試料の作成
今年も3/4が過ぎ,残り3カ月となりました。
どうか平穏無事に過ごせますように。
祈る機会が増えたように思います。
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次のブログ更新まで,あなたと私に良い風が吹きますように。