筆跡試料の作成 2017.8.21
通算36回目・ようやく1周年!
2016年8月25日から開始した筆跡試料の作成も,ようやく1年が経過します。
筆跡試料は月に3回作成しますから,12か月で36回分となりましたが,振り返ってみると,意外に骨が折れる作業でした。
ざっくりと計算すると,1440分を費やしているようですから,時間に直すと24時間分になります。実際には準備や撮影,ブログ作成などがありますので,1.5倍ぐらいになります。
また,日付の縛りがあるため予定を入れづらく,ここまでやってみて,よく乗り越えられたなぁと実感しています。
筆跡のどんな事を研究しているの?
このようなご質問のお電話をいただく機会が,最近増えています。
当サイトには,これまでに研究してきた内容と,筆跡試料の作成のように,現在も進行中の研究が複数ありますが,ご質問される方の中には,当ホームページに一通り目を通されている方もいらして「このページの,この記述について」というように,ホームページを見ながら詳しく尋ねられるようなことがしばしばあります。
このような方の中には,気になる筆跡をご自身でも研究(鑑定)されていて,行き詰ったときや,別の観点を探しているときに当ホームページにたどり着き,勢い余って受話器を上げた,という方もいらっしゃいます。
こういう方とのお話は弾むもので,時間を忘れてしまいますし,最後に「すごいですね」とおっしゃっていただくこともあり,純粋にうれしく思います。
当ブログ「筆跡試料の作成」をご覧になり,「よく続いていまね」と,事務所で直接言われたこともありますし,「意地ですか?」と冗談半分におっしゃる方もいらっしゃいました。
研究を続ける理由は,「自由であるため」というのが一番大きいですね。
毎日のように鑑定作業を続けていると,どんな人間が鑑定人になりえたとしても「慣れ」が生じてしまい,鑑定作業の行きつく先を予測できるようになります。
「慣れ」は,鑑定作業をスムーズに進めるために必要な感覚なのですが,鑑定件数が増えてくると自身を大した人物であるようかのように錯覚し,こじれると「傲慢」になります。
「傲慢」は思い込みと怠惰を生みますので,妄想と現象を置き換えることに端を発し,理由のない結論を口にしたり,見えもしない根拠を書いたりするようになります。我儘というものです。
我儘は「自由」であるように見えますが,鑑定人としては「不自由」な状態です。
現象をありのまま捉える「自由」
複数の理由に基づく結果を口にする「自由」
計測や観察ができた根拠のみを書く「自由」
このように自由を保持することが,客観性を維持し,公平な鑑定につながると信じているから,本日も研究を続けるのです。
最後までお読みいただき,ありがとうございました。