筆跡試料の作成 2018.3.1
通算55回目ごろの世間
平昌オリンピックもおわり,嵐の夜を経て,本日の横浜は快晴です。
気温がとても暖かく,暦とともに春を感じさせます。
筆跡と精神構造
筆跡を通じて,執筆者の性格を判断したり,執筆時の精神状態を推測したりすることは可能であり,長い歴史があると言われています。
ネット検索でも,たくさんの方がブログを起こし,個人から一般社団法人まで様々と見かけますが,私もめぼしい書物は購入しおり,かなりの「通」です。
- 町田欣一著「筆跡による性格診断法」(光文社・昭和36年6月20日発行)
- 槇田仁・小林ポオル・兼高聖雄 共著「筆跡性格学入門」(金子書房・平成4年1月25日発行)
- 森岡恒舟著「ホントの性格が筆跡でわかる」(旬報社・平成11年12月5日発行)
- 福井絖翠著「ハッピー家族の筆跡診断」(砂書房・平成17年12月10日発行)
- 林香都惠著「筆跡を変えれば自分も変わる」(日本実業出版社・平成19年12月20日発行)
- 秋月美南著「夢をかなえる筆跡心理学」(大和書房・平成20年6月30日発行)
時代の古い書籍は,筆跡から性格を判断するものが多く,学術的な要素を含みますが,近年の書籍は筆跡から性格を判断し,そこから改善点を見つけ修正するアドバイスをするものが多いようです。
その他たくさんの筆跡関連の本を持っており,書店に迫るレベルではないかと思います。
筆跡診断に関する書籍に共通しているのは,「幸せになりたい」とか「自分を変えたい」など,人の向上心に寄り添う書物であるということではないかと思いますが,効果はあるのでしょうか?
はい,効果はあります。
実は私は,30代前半まで会社員をしていた「脱サラ(死語?)」組なのですが,独立直前に読んだ本の通りに筆跡を直して,今があります。
当時の自分は,会社の言いなりに送る毎日に「これではいけないな。」と一念発起し,かねてから興味のあった世界へ飛び込む原動力となったものの一つが,筆跡を変えて自分を変革することでした。
今にして思えば,何かを成し遂げようとするとき,自分を見失わない暗示のような効果もあったかもしれませんが,筆跡を変えることにより,私の精神構造も変化したと実感していますし,鑑定人として独立した今日があるのだと思います。
私と同じ「比較筆跡」の鑑定人の中には,「科学的根拠に乏しい。」として,筆跡心理学の分野をよく思わない方もいるようですが,科学的根拠なんかなくとも,実体験をしてしまった私からすると,筆跡と精神構造は関連しているのになぁ,と常々思ってしまいます。
研究しています。
不思議なもので,比較筆跡鑑定を通じて,対照資料執筆者の執筆時の精神状態が筆跡からわかるようになってきました。様々条件もありますが,これに関連付けて現在,解離性同一性障害の方の筆跡研究を同時進行しており,近々まとめる予定です。
発表できるレベルに及ぶかは見当もつきませんが,このブログの主題である「筆跡試料の作成」と併せ,将来が楽しみな研究の一つです。
最後までお読みいただき,ありがとうございました。