筆記は意思の表れ
筆跡試料の作成-64回目
こんにちは。今日は良い天気ですね。ここ横浜では時折風が強く吹くものの,空気も乾燥して過ごしやすい日和となっています。
数回前にお知らせしましたが,新聞購読を終了しましたので,今回から新聞とのコラボレーション写真はなくなりました。所員の反対がありましたので,再び購読するかもしれませんが,筆跡鑑定人の日常にあるものを撮影していけたらと思います。
記念として筆跡を残す取り組み
青森県平川市で,本日からオリジナルデザインの婚姻届と出生届を配布する取り組みが始まりました。
婚姻届は2枚複写になっていて,届出をした署名などを当時の記念として,そのままの筆跡を残せるようになっていて,届出の外枠には平川市の市の花である「リンゴの花」や,市の鳥「うぐいす」,市の木になっている「黒松」等があしらわれたものがあり,写真を貼り付けたりできるようです。
また,赤ちゃんの命名書は手形を押したり,写真を貼り付けたりできるようになっており,婚姻届と併せて,結婚から出産までを通じて,移住や定住を願って配布されるようです。
人は意思の表れとして筆記する
婚姻届は夫婦になることの証として,夫と妻が行う共同作業の一つですが,そこには「結婚しよう」という意思の他,「幸せになろう」という意思も含まれているようで,筆跡鑑定の対照資料として拝見することがありますが,皆力強く書かれているものです。
出生届は,子供が生まれたとき,普段は毛筆など持たないのに,無理してでも毛筆で書きたくなる記念の書。私の子供が生まれたときの記念写真にも,壁に貼りだされた命名書が写りこんでいますが,当時候補として挙げた子供の名前も,今となってはしっくりこないので,やはり命名した名がふさわしかったなぁと思う次第です。
パソコンやプリンターがいくら普及しても,また,毛筆が自宅になくても,やはり手書きで名前を書いてあげたい,芽生え始めた親心がなせる業なのでしょうね。
履歴書はワープロ打ちで。
こんなご時世ではありますが「あなた方の会社の一員にしてください!」という気概は,手書きだから伝わることもあるのではないかと,日々筆跡鑑定に従事している小生などは思います。
人は意思の表れとしてペンをとり,紙に向かって時間を費やすのですから。
最後までお読みいただき,ありがとうございます。