筆跡鑑定で絵画の作者を推定する
筆跡試料の作成-67回目
梅雨が明けて夏本番。
ここ横浜では,温風ならぬ熱風が吹きすさび,毎日が熱帯地方のようです。
絵画の署名を筆跡鑑定して,作者が判明
先日,レオナルドダビンチが,若いころに「大天使ガブリエル」を描いていたことが,イタリアの美術研究家らの手によって明らかとなりました。
ダビンチといえば,「モナリザ」や「最後の晩餐」などルネサンス期を代表する,日本にもなじみ深い天才画家のひとりですが,このほど「大天使ガブリエル」の絵画の,あごの部分を赤外線調査を行ったところ,1471年にその絵を制作したことや,レオナルドダビンチの署名があることがわかり,筆跡鑑定を行ったところ本人の署名であることが判明したそうです。
この絵画を年代から計算すると,レオナルドダビンチが18歳のころに描いたことになり,最初期の作品になるようです。
筆跡鑑定が,こんなところでも活躍の機会を得ていると聞くと,素直にうれしくなります。
当研究所でもこれまで,絵画などに描かれたサインや,リトグラフのナンバリングと一緒に執筆された署名などを筆跡鑑定して,真贋鑑定の一端を担ったことがありまして,今回のニュースを聞き,絵画を制作した人物の判明ではイタリア人も同じところに目をつけるのだなぁ。と,不思議な連帯感を感じました。
それと同時に,私のしてきたことは,世界でも通用する作業の一つであるのだと,少し誇らしい気持ちになりました。
写真は,いただきもののアンスリウム。もうすぐ1年経ちます。
最後までお読みいただき,ありがとうございました。