委任状の筆跡鑑定
委任状の筆跡鑑定は依頼数が上位
筆跡鑑定のご依頼で多いものの一つが「委任状」に関するものです。
ご存じの通り,委任状は委任者がある範囲内の権限を受任者に与えて,権限を代理して執行させるものであり,身近なところでは保護者向けの学級委員会や町内会の総会などが挙げられ,金融機関や役所などでも本人の委任状さえあれば手続きが可能なものが多くあります。
しかし,身近なところにこそ危険が潜んでいるもので,委任状を盾に取られ,自分が知らない間に多額の預金がおろされたり,何かの責任者にされていたりするなどの被害に遭われている方もおり,容易に委任状を書くことはお勧めできません。
委任状における筆跡鑑定の現状
委任状は委任者の署名や押印が必要になるため,ご本人様の筆跡であることが絶対条件になりますから,筆跡鑑定では本人確認を目的として行うことが一般的です。そのうえで「本人の筆跡ではない。」という鑑定結果になった場合,受任者等の書いた筆跡と筆跡鑑定を行うことになるケースも少なくありません。
筆跡鑑定で委任状の依頼を受け賜わる場合,ご高齢の方に関する案件が6割程度あるのですが,認知症を発症していたり,寝たきりであったりと,ご本人様の意思に基づくのか否かが問われる際の確認方法として,筆跡鑑定を依頼してみようという流れになるケースもあるようです。
この場合,ご本人様の筆跡が集まらず,筆跡鑑定を行うまでに困難を極める案件もありますが,ご本人様の筆跡が存在して筆跡鑑定ができる場合では,悪意に基づく委任状である。と判明することもありますので,お身内の筆跡はできる限り年月日を明記したうえで保管されることをお勧めする次第です。
白紙委任状は危険性が高い
白紙委任状(はくしいにんじょう)とは,その名の通り,委任する相手も,与える権限なども決めずに,いわば無条件に委任することの証のようなもので,それを与えた相手が内容を充実させて,権限を行使する際に支障をきたさないようにするという,よい側面もあるそうですが,よほど信頼できる相手でない限り,作成は慎重にしましょう。
通算107回目の筆跡試料の作成
世間様は夏休みの真っ最中でしょうね~~
本日は日曜日のため定休日ですが,昨日も,そして明日からも通常営業でお待ちしております。
最近,そんな中,お墓参りやお盆の用意などをそつなくこなす自分を見直しました。
最後までお読みいただき,ありがとうございます。