契約書類の印章鑑定
契約書の印章鑑定と印章鑑定書の作成
契約書は様々な書式のものがありますが,印章鑑定を行うときは次にタイプに分かれます。
実印(印鑑)の印章鑑定
印章鑑定する箇所は実印や契約印などの印鑑,押印された印影一つを鑑定いたします。まずは鑑定結果がどのようになるかをご確認いただくため,「簡易印章鑑定書:33,000円」をお勧めしています。
なお,この鑑定書には「簡易」という文字がタイトルについていますが,裁判所への提出をお考えの場合,はじめにご提示いただいた鑑定用資料に変更がないことを条件に「印章鑑定書」というタイトルに変更することも可能です。
代表者印や社判など複数の印章鑑定
印章鑑定する箇所が法人の代表者印と社判などの印鑑,押印された印影が二種類の場合は,「簡易印章鑑定(集団鑑定):55,000円」をお勧めしております。
こちらの鑑定書にも「簡易」という文字がタイトルについていますが,裁判所への提出をお考えの場合,はじめにご提示いただいた鑑定用資料に変更がないことを条件に「印章鑑定書(集団鑑定)」というタイトルに変更することも可能です。
契約書の印章鑑定
個人が行う契約では,金銭や物品,不動産などの借用書に代表されるものから,住宅や自動車などを購入する際のローン契約書,人との約束事などを明文化した誓約書や念書に至るまで幅が広く,そのほとんどに何かしらの印影が残されています。
法人契約でも基本的な意味において「契約書」の内容は個人と変わりませんが,連帯保証人になるケースや約束手形を発行するケースなどが含まれますので個人の契約書よりさらに幅が広がりますが,自分(達)以外の人間(達)となんらかの取決めを行い,その内容を「書類」として作成したものを「契約書と呼ぶ」という認識で間違いないと思います。
契約書は様々ありますが,遺言書と同様に「本人確認」と「偽造者の発見」の目的を主として印章鑑定が行われます。
印章鑑定の御依頼で多いのは「押印した覚えのない契約書」です。契約書の名義に自身の署名や記名はあるが,印鑑を押印した記憶がない。というものです。
印章鑑定の御依頼で同様に多い案件は,契約書に則り債務を履行してもらおうとしたときに「そんな契約書に押印した覚えがない。」と言われ,弁済されないケースです。シラを切れば逃げられると思っている悪質な輩もいますので,法的措置を行う準備段階で印章鑑定を依頼される方がほとんどです。
ここでは,契約書でお困りのときの対応と,依頼時の注意点をお伝えします。
押印した覚えがないときは,契約書の原本を確認しましょう
通常の契約では,同じ書類を2通作成して当事者間で保管しますので,1枚は手元に残ります。しかし,印章鑑定を依頼される方は原本をお持ちでない方がほとんどです。また,契約者本人は既に他界され,相続人からの依頼の場合もありますが,同様に原本がないこと多いです。お手元にお持ちのはずの契約書原本がどこへ行ってしまったのかは,この際余り問題ではありません。重要なことは,争いが起こりそうなときには必ず,問題となっている契約書原本を所有している方に見せてもらいましょう。可能であれば手に取り,印影部分の朱肉の付着状態や裏面への染み込みなども確かめます。
このときに,「契約書原本」とされている書類の印影部分が光の加減でテカテカ光ったり,朱肉の染み込みが見られないなどの不審点があれば,「印刷物ではないか」といって説明を受けましょう。
2000年頃から家庭用プリンターにもスキャナー機能が付いた製品が普及し,スキャニングによる契約書偽装がはやりましたが,一次コピーであればスキャニング偽造が見破れることがありますので,その書類のカラーコピーをいただいて帰りましょう。
契約書をコピーするときの注意点
お手元に原本がない場合には,契約を取り交わした(とされる)相手から,その契約書のコピーを入手します。このときのコピーの取り方にも注意が必要です。まず,コンビニエンスストアなどに設置してある大型の複合機を優先的に選びます。次に家庭用の複合機となりますが,画質を最高にします。ただしFAX機能付き電話機のコピー機能を使うのはやめましょう。
コピーを取る際にはADF(自動原稿送り機)は使用せず,ガラス板面に契約書をまっすぐに置き,コピー機のフタを完全に閉めて,原寸大でフルカラーコピーをします。そうすることにより印影は鮮明に写りますので,印章鑑定に多くの情報をもたらすことが期待できます。
法務局での写真撮影には,三角スケールや文鎮を使いましょう
登記書類などの場合には,法務局へ出向かれて,分厚いファイルから特定の書類を探しだし,写真撮影したものを鑑定資料として提出されることがあります。しかし分厚いページを見開きにして撮影されるため,書類が山形に湾曲してしまい,印章にゆがみが生じている鑑定資料を,しばしばお見受けします。
お骨折りいただいて恐縮ですが,鑑定資料としては不向きな状態です。
写真撮影には,是非三角スケールや文鎮をご利用ください。三角スケールとは,建築士さんが製図などで使用する立体的に三角の定規です。これを分厚いファイルの印章部分の下部に,印章にかからないように押し当てて,印章部分の真上から撮影を行います。要するに,紙が湾曲しないように,三角スケールで押さえつけるのですが,三角スケールの1/100mの面を印章部分の下に押し当てることにより,原本のサイズが明確になりますので,対照資料との比較にも役立つのです。
また,文鎮はお子様のいるご家庭であればお習字の授業で購入されていますのでご家庭にもあると思います。
極論では,多少の力を加えても曲がることのない直線の物体であれば結構なのですが,法務局の窓口で取り扱うため目立たないもので,かつ,書類を汚したり傷けることがないものとして例に挙げています。
印章鑑定はお気軽にお申し付けください
日本では日常生活や経済活動において押印が求められることが多く,スタンプ印から実印・社判まで毎日のように押印されていますが,筆跡などと違い印影は形が決まっているため,悪意がある者により偽造されることがあります。また,契約を反故にしようとする輩も少なからず存在しており,そうした者には訴訟を起こして対応する必要があります。
弊所では,お客様が印章鑑定をお気軽にお申込みいただけるよう,他所と比較して鑑定料金を安価に設定しています。その鑑定内容は,印影スキャニング偽装の観察や押圧痕の斜光線撮影などを盛り込んでおり,他所より詳細な鑑定書を作成しております。
契約は,契約者のみならず,そのご家族や周囲の人にも影響を及ぼすことがありますので,契約書に押印されている印章の鑑定が必要なときは躊躇せず,お気軽にお申し付けください。
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