筆跡試料の作成 2017.9.1
通算37回目ごろの世間
来年のサッカーワールドカップ・ロシア大会への日本選手の出場が決定しました。
6連続大会出場とのことで,1998年から20年間出場が続くことになるようです。
勝利点となったのが,最年少21歳の井手口選手というのも,何か因縁めいたものを感じます。
本日は,台風の影響で大陸からの高気圧が日本に入り,ここ横浜では気温が20度ちょっとなので,大変過ごしやすい状況です。少し風が強いですが,それも心地よく感じます。
筆跡鑑定不能体質者
先日,ひょんなことから筆跡鑑定を行うことができない人物に会いました。
自身の名前をはじめ,住所やそのほかの文字について,2度と同じように書けていないのです。
その方は,年少者や高齢者ではなく成人で,独立した社会人でした。
ちなみに長体ヘタウマ文字ではありません。
本人に意図はなく,スラスラと書いてはいるのですが,名前や住所,その他の文章に同じ文字があっても,同じにならないのです。
念のため書きますが,解離性同一性障害の方でもありません。
私は内心とても驚き,自身の筆跡鑑定人としての矜持が揺らぐのを実感しました。
本人は自覚していないので,伝えることはしませんでしたが,とても興味深く,その方をよく知りたいと思う反面,筆跡鑑定の場面で出会いたくないという気持ちも起きました。
常同性(恒常的に表れる筆跡の個性)や,個人内変動のブレ幅,経年変化など,筆跡には不変的な部分と変動的な分があり,その状態を全部ひっくるめて鑑定して行くのですが,その方は全般に変動的なため比較対照できる筆跡がなく,筆跡鑑定ができないと感じました。
このように書くと,他所の鑑定人は「微細な部分には癖が出るだろう」とか「変動率を計算すれば近似値で割り出せるだろう」などと否定的になるかと思います。
でも私は間近で見てそう判断させられたのです。
幽霊を見たことがない人が「幽霊なんていない」と言うのと同じでしょう。
そうして私は,そのような人間を「筆跡鑑定不能体質者」と,内心命名したのでした。
最後までお読みいただき,ありがとうございました。