筆跡鑑定人が新しい元号を思う
新元号「令和」を筆跡鑑定人として読む
次の元号が発表されました。この会見,間違いなく今週の視聴率トップでしょう。
そんなことより,私の第一印象は先頭に「R」がつくことの意外性。次に「和」がついたことの安堵感でした。パッと見はバランスをとるのが難しいのですが,書き方により,カッコよく形成することができました。コツは「令」字にあります。
令和の「令」の字形と意味
令和の「令」は,神様のお告げを受ける人を象ったもの。頭の「(ヒトヤネ)」はその儀礼用の帽子であり,残りの部分は跪いている人を表しています。「命」のもとの字でもあり,神意に従うことから「良い」とか「立派」という意味につながったとのことです。
令和の「和」の字形と意味
令和の「和」は,昭和生まれの私にはなじみ深く,聖徳太子の作った十七条憲法の「和を以て貴しと為す」にも見られるように日本人の基礎となる信条でもあります。
この文字は,軍門の前で,戦争をやめ平和な状態に戻すことを誓約し,媾和を結ぶことを意味し,最高の徳行を示す語とされているとのことです。
白川静(2003)『常用字解』平凡社.
JRの駅名表示風に,Wordで作ってみました。
忙しいのに,頭に浮かんだらやってみたくなる性分なので,今日の投稿は鑑定作業終了後のこんな時間になりました。
通算94回目の筆跡試料作成
4月に入ったというのに寒いですね。午後はつめたい雨となりました。
名残惜しい平成も残すところ1か月を切りました。毎日が「平成最後の~」という心境になります。
最後までお読みいただき,ありがとうございました。