筆跡鑑定セルフチェック第3回
筆跡鑑定を自分で行うための準備
筆跡鑑定を鑑定人に依頼する前に自分で行ってみよう!ということで,3月1日に2回目の筆跡鑑定セルフチェックをブログに書きましたが,鑑定資料と対照資料は十分に集められたでしょうか。本日はいよいよ筆跡鑑定を行うための準備に入ります。
筆跡鑑定を行う文字を選定する
収集した鑑定資料や対照資料を見ると,それぞれに同じ漢字や平仮名などが書かれていると思います。そういう文字を一つずつ指で押さえ,目で追いながら書かれ方を解析するのは効率が悪いので,筆跡鑑定を行う文字を選定するために,文字の集計表を作成します。
文字集計表の作り方
最初に,「A1(左上端のセル)」に「文字」と打ち込みます。これはなんでも結構なのですが,わかりやすく「文字」とします。
次に,鑑定資料を読むように,出現する文字を「A2(一番左の欄の上から2番目)」の欄から打ち込んでゆきます。このとき,鑑定資料内に同じ文字が複数回執筆されていることがありますが,重複しても構わないのでひたすら打ち込んでゆきます。漢字や平仮名など文字種ごとに分けると後の処理が楽です。
鑑定資料の文頭から文末までを余すことなく打ち込んだら,「A」の列にソートをかけます。「昇順」にすると「五十音順」に並ぶので見やすくなります。
続いて「B1(A1の右隣)」欄に「鑑定資料」と打ち込み,それぞれの文字の個数を打ち込みます。ソートにより重複した文字などは連続して並びますので,その文字が3つあれば鑑定資料に3回執筆されていたということになりますから,文字の行を一つにして鑑定資料欄に「3」と打ち込みます。
これが終わったら次は,「C1(B1の右隣)」から右方向に対照資料の数だけ項目を作成します。上図では「対照資料1」から「対照資料10」までが設定されていますが,集めた対照資料の枚数により増減します。引き続き,対照資料を読みようにして,「文字」の列から同じ文字を「検索」し,該当する文字があれば各対照資料欄に数字を打ち込みます。今度はソートをできないため,複数回執筆されている文字はその都度数字を加算してゆくことになります。
全ての対照資料の集計が終わると,鑑定資料と対照資料に共通して書かれている文字と執筆回数が把握できます。あとはご自身の使いやすいように,対照資料の各文字の合計をとったり,執筆回数の多い順にソートをかけたりして見やすく,使いやすくします。
鑑定資料と対照資料へのマーキング
前項で作成した文字集計表に基づき,鑑定資料と対照資料にマーキングします。具体的な手順として,鑑定資料と対照資料のコピーをとり,コピーした書類に蛍光マーカーなどで色を付けます。
文字集計表を見ながら,該当するすべての文字にマーキングを行い,必要に応じて集計表の個数と整合性をとります。
今回はここまでです。次回は筆跡を比較できるように文字を抜粋する作業を行います。
通算95回目の筆跡試料作成
新聞記事にありますが,ブラックホールの撮影に世界で初めて成功したとか。最近の宇宙関連の話題は,はやぶさ2のクレーター作成の成功など,人類の宇宙進出の歴史の一ページを見ているようでワクワクします。
最後までお読みいただき,ありがとうございました。