筆跡鑑定の一致率
筆跡鑑定でわかる嘘
筆跡鑑定に携わると,筆跡が完全に一致する確率が極めて低いことに驚かされます。
筆跡鑑定人をしていると人に話したとき,2枚の紙を重ね合わせて日の光で透かして鑑定するの?などと聞かれたことがありますが,
筆跡鑑定とは,そういう仕事をしているイメージなのかな。と,なぜかその人の思考回路が古い漫画に思えたことを覚えています。
筆跡鑑定の業界では,人間は,例えば自分の名前を書いて,それと完全に一致するように名前を書くことはできない。という迷信のような常識があります。
筆跡がピタリと一致することがない。という考えのもと,逆に完全一致するようなことがあればそれは,偽筆の疑いをかけられてしまいます。
筆跡がどうして完全に一致することがないのか,それはフリーハンドでは直線や真円を描けないことに通ずるものがあります。
筆跡の一致率で嘘が発覚する
筆跡鑑定において,筆跡の一致率が極めて高い場合は,透かし書きなどで偽造された筆跡である疑いが高くなります。
これが契約書に署名された筆跡などの場合で,署名にあるご本人に覚えがないときなどは,契約書の作成者が嘘をついている可能性が出てきます。
筆跡に一致している箇所が見当たらないときは「別人の筆跡」という鑑定結果になりますが,筆跡が一致し過ぎているときも「本人の筆跡ではない」という可能性が出てきますので,筆跡鑑定の一致率が高いからと言って手放しで喜べるものではありません。
2枚の紙を日の光に透かして筆跡が一致したからと言って,それを本人が書いている保証はなく,また,そのどちらか1枚は誰かの嘘によって作り出された書類であるかもしれませんので,真偽を明らかにしたいときは最寄りの筆跡鑑定人に御相談ください。
通算135回目の筆跡試料の作成
オリンピックの延期に続き,夏の甲子園大会が中止になりました。
集団移動や宿泊先の準備ができないことのほか,選手のトレーニング不足も懸念されているとか。
コロナ禍の「禍・か(わざわい)」とは「思いもよらぬ不幸」という意味がありますが,甲子園を目指していた高校球児たちに降りかかる思いもよらぬこの事態には,掛ける言葉が見つかりません。
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次の投稿まで,あなたと私に良い風が吹きますように。